2020/07/17

DAP Fiio M5での問題

中国Fiio Electronics社製のDAP、M5を使って音楽を聞くことがありますが、特有の問題がいくつかあるので、僕が気が付いた範囲で説明します。

1.アーティスト名の並び順
漢字、アルファベットが混在して、バラバラに並び、ソートできない。
おそらく漢字はピンインに変換され、アルファベットのものと混ざった上で、アルファベット順にソートされていると思われる。
解決方法はない。

2.曲順が乱れる
音楽ファイルのタグ情報によっては、アルバム内で曲順が乱れることがある。
以下の方針でタグ情報を整えることで解決する。
(1)mp3ファイルの場合、タグ情報をバージョンid3v2.3にして、アーティスト名、曲名、アルバム名が日本語の場合にエンコーディングがUTF16になるようにする。
(2)cuesheetファイルがある場合は削除する。
(3)flacファイルの場合、余分なタグ情報を削除する。

3.曲名が表示されない
曲名が表示されず、ファイル名が表示されるものがある。
解決方法はなく、ファイル名を「曲名+拡張子」にして、正しい表示に近づける。
UTF16で下位バイト0x00の漢字が、曲名の一文字目に使われている場合、この状況になると思われる。
該当する漢字は次のとおり。
伀倀儀刀匀吀唀嘀圀夀娀嬀尀崀帀开怀愀戀挀搀攀昀樀欀氀洀渀漀瀀焀爀猀琀甀瘀眀砀礀笀簀縀缀耀脀舀茀萀蔀蘀蜀蠀褀言謀谀贀踀輀退鄀鈀錀鐀销阀頀餀騀鬀鰀鴀鸀鼀」
(赤字は常用漢字+人名用漢字)
該当する曲をいくつか挙げる。
  • 曲名:葉にできない アーティスト:オフコース アルバム:over他
  • 曲名:愛 アーティスト:中島みゆき アルバム:御色なおし
  • 曲名:悪 アーティスト:中島みゆき アルバム:36.5℃他
  • 曲名:式(セレモニー) アーティスト:中島みゆき アルバム:回帰熱
  • 曲名:後の女神 アーティスト:中島みゆき アルバム:大吟醸他
  • 曲名:終電車 アーティスト:奥華子 アルバム:恋手紙他
  • 曲名:番星 アーティスト:奥華子 アルバム:BIRTHDAY他
  • 曲名:後の恋 アーティスト:奥華子 アルバム:BIRTHDAY他
  • 曲名:後の嘘 アーティスト:松任谷由実 アルバム:Cowgirl Dreamin'他

4.曲名が文字化けする
mp3ファイルで、文字コード0xd7「×」が使われていて、他の文字が全てアルファベットの場合に文字化けする。
DAP側の問題というより、この条件だと音楽ファイル側のエンコーディングをUTF16にすることが難しいという問題だと思われる。
解決方法は、
(1)タグ情報の曲名のこの文字の前後にスペースを入れる。
または、
(2)easytagで仮に曲名に日本語文字を入れて保存し、eyeD3で曲名だけを元に戻す(こうすると曲名のエンコーディングがLATIN1からUTF16に修正される)。
該当する曲をいくつか挙げる。
  • 曲名:ONE×TIME アーティスト:大塚愛 アルバム:LOVE LETTER他
  • 曲名:aisu×Time アーティスト:大塚愛 アルバム:LOVE is BEST
  • 曲名:CHU×CHU アーティスト:大塚愛 アルバム:LOVE FANTASTIC他
もし同種の問題と思われる現象があった場合にはmid3v2 --list-rawで調査する。


AndroidのQmusicアプリでの音楽ファイルのタグ情報に関する問題

Qmusicアプリによって、NASに保存した音楽ファイルをAndroidスマホやタブレットで聴くことができます。
とても使いやすく、気に入っていますが、少し問題もあります。

<状況>
音楽ファイルのタグ情報のうちのジャンルを「JPop」にしているが、Qmusicで表示させると「Jpop JPop」となってしまうものがある。

<環境>
NAS: TS-251A / QNAP

<解決方法>
NASにadminユーザでログインして、Music Stationにて問題となっている音楽ファイルの情報を表示させ、ジャンル情報を手動で修正する。
音楽ファイルは複数選択し、複数を同時に修正することもできる。
注意点としては、adminユーザ以外で情報を表示させようとすると、権限が無いというアラートが出る。
その後、adminユーザで情報を表示させようとしても、一定時間は同様に権限が無いというアラートが出る。


eyeD3を使ったmp3ファイルのタグ情報の編集

mid3v2と同様に、linuxでシェルのコマンドラインからeyeD3を使って、mp3ファイルのタグ情報を編集できます。

インストール方法は次のとおりです。
$ sudo apt update
$ sudo apt install eyed3

引数には状況に応じて、単一のmp3ファイル、複数のmp3ファイル、mp3ファイルを含んだディレクトリを指定します。
ディレクトリは再帰的にスキャンされますので、ジャンルを一括で変更する場合など、ミュージックライブラリのトップディレクトリを指定することもできます。

タグ情報を表示させる場合は、通常は単一のmp3ファイルを指定します。
$ eyeD3 [単一のmp3ファイル]

例えば次のようになります。
$ eyeD3 Music/YUKI\ concert\ tour\ “Blink\ Blink”\ 2017.07.09\ 大阪城ホール/01\ -\ Bili\!\ Bili\!\ -LIVE-.mp3
/home/XXX/Music/YUKI concert tour “Blink Blink” 2017.07.09 大阪城ホール/01 - Bili! Bili! -LIVE-.mp3              [ 2.10 MB ]
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Time: 01:05     MPEG1, Layer III        [ ~261 kb/s @ 44100 Hz - Stereo ]
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ID3 v2.3:
title: Bili! Bili! -LIVE-
artist: YUKI
album: 201801 YUKI concert tour “Blink Blink” 2017.07.09 大阪城ホール
album artist: YUKI
composer: 百田留衣
recording date: 2018
track: 1/28             genre: JPop (id 146)
disc: 1/1
Comment: [Description: ] [Lang: eng]
Amazon.com Song ID: 293537637
FRONT_COVER Image: [Size: 39941 bytes] [Type: image/jpeg]
Description: 

PRIV: [Data: 8207 bytes]
Owner Id: www.amazon.com
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

よく使うコマンドは次のとおりです。
$ eyeD3 -t ”[曲のタイトル]” [単一のmp3ファイル]   # 曲のタイトルの変更
$ eyeD3 -a ”[アーティスト名]” [アルバムのディレクトリ]   # アーティスト名の変更
$ eyeD3 -A ”[アルバム名]” [アルバムのディレクトリ]   # アルバム名の変更
$ eyeD3 -G ”JPop” [アルバムのディレクトリ]   # ジャンルをJPopにする
$ eyeD3 --to-v2.3 [アルバムのディレクトリ]   # タグのバージョンをid3v2.3にする

またタグ内容のエンコーディングが異なってエラーが出る場合には、次のようにしてエラーを回避できます。
$ eyeD3 -t ”[曲のタイトル]” --encoding=utf16 [単一のmp3ファイル]   # 曲のタイトルの変更

カバーアートの書き出しは次のようにします。
$ eyeD3 --write-image=. [単一のmp3ファイル]   # カバーアートの書き出し(カレントディレクトリに)

カバーアートはmp3ファイルから書き出さないで、アートワーク検索サイトから入手することも多いです。

カバーアートの削除は次のようにします。
$ eyeD3 --remove-all-images [単一のmp3ファイル]   # カバーアートの削除

カバーアートの追加は次のようにします。
$ eyeD3 --add-image="[カバーアート画像ファイル]:FRONT_COVER" [単一のmp3ファイル]  # カバーアートの追加

僕はアルバムのディレクトリにカバーアート画像ファイルとしてcover.jpgを置いておくことが多く、次のような使い方が多いです。
$ eyeD3 --remove-all-images --add-image="cover.jpg:FRONT_COVER" .

詳しくはman eyeD3を見てください。

eyeD3はmp3ファイルのタグ情報を編集する際に、mid3v2、easytagよりもよく使っています。

引数にディレクトリを指定でき、再帰的にスキャンしてくれるのがまず便利です。
シェルにzshを使っていますので、zshの機能を使ってmid3v2でも同じことができますが、例えば現在のディレクトリを指定するときなど入力する文字数がかなり減りますので、結果的にスピード感を感じます。

そしてmid3v2ではid3タグの情報を見るときにフレーム名がTIT2、TPE1、TALBのように表示されるのに対し、eyeD3ではtitle、artist、albumと直感的に分かりやすく表示されます。

またたくさんのファイルの処理をさせるときには、やっていることがシェルの表示で流れていきますので、easytagに比べて安心感があります。

操作自体はmid3v2、easytagでも可能ですし、わずかな優位性しかないと思いますが、それでもeyeD3を好んで使います。

反対にeyeD3でできないこととしては、フレームごとのエンコーディングの表示が挙げられます(mid3v2 --list-rawを使います)。

chromebookでlinuxを使うと、他の場合に比べてシェルをよく使うと思いますので、それもeyeD3を好んで使う理由の一つだと思います。

<環境>
・chromebookのLinux(ベータ版)環境
Chromebook 311 / C721-N14N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.119(Official Build) (64 ビット)
chromebookのLinux(ベータ版)環境 / Debian 9: 9.12 (Stretch)
eyeD3 バージョン: 0.7.10-final
・crouton環境
Chromebook 11 / C740-F34N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.112(Official Build) (64 ビット)
crouton環境 / Ubuntu 18.04.4 LTS
eyeD3 バージョン: 0.8.4



mid3v2を使ったmp3ファイルのタグ情報の編集

eyeD3と同様に、linuxでシェルのコマンドラインからmid3v2を使って、mp3ファイルのタグ情報を編集できます。

インストール方法は次のとおりです。
$ sudo apt update
$ sudo apt install python-mutagen

引数には、単一のmp3ファイルの他、複数のmp3ファイルも指定できます。

タグ情報を表示させる場合は、次のとおりです。
$ mid3v2 [mp3ファイル]

例えば次のようになります。
$ mid3v2 Music/YUKI\ concert\ tour\ “Blink\ Blink”\ 2017.07.09\ 大阪城ホール/01\ -\ Bili\!\ Bili\!\ -LIVE-.mp3|grep -v "x00"   # 画像データらしき大きいデータ除外のためgrep -vとしています
IDv2 tag info for Music/YUKI concert tour “Blink Blink” 2017.07.09 大阪城ホール/01 - Bili! Bili! -LIVE-.mp3
APIC=cover front,  (image/jpeg, 39941 bytes)
COMM==eng=Amazon.com Song ID: 293537637
TALB=201801 YUKI concert tour “Blink Blink” 2017.07.09 大阪城ホール
TCOM=百田留衣
TCON=JPop
TIT2=Bili! Bili! -LIVE-
TPE1=YUKI
TPE2=YUKI
TPE3=
TPOS=01/01
TRCK=01/28
TYER=2018

典型的な使い方は次のとおりです。
$ mid3v2 -t ”[曲のタイトル]” [mp3ファイル]   # 曲のタイトルの変更
$ mid3v2 -a ”[アーティスト名]” [mp3ファイル]   # アーティスト名の変更
$ mid3v2 -A ”[アルバム名]” [mp3ファイル]   # アルバム名の変更
$ mid3v2 -g ”JPop” [mp3ファイル]   # ジャンルをJPopにする
$ mid3v2 --TIT2=”[曲のタイトル]” [mp3ファイル]   # 曲のタイトルの変更
$ mid3v2 --TPE1=”[アーティスト名]” [mp3ファイル]   # アーティスト名の変更
$ mid3v2 --TALB=”[アルバム名]” [mp3ファイル]   # アルバム名の変更
$ mid3v2 --TCON=”JPop” [mp3ファイル]   # ジャンルをJPopにする
$ mid3v2 --delete-frames="TPE2" [mp3ファイル]   # アルバムアーティストタグを削除
$ mid3v2 --delete-frames="APIC" [mp3ファイル]   # カバーアートを削除

カバーアートの追加は次のようにします。
mid3v2ではできないという情報が他のサイトに挙げられていますが、現在はできます。
$ mid3v2 --picture="[カバーアート画像ファイル]" [mp3ファイル]   # カバーアートの追加
または
$ mid3v2 --picture="[カバーアート画像ファイル]:[DESCRIPTION]:[IMAGE-TYPE]:[MINE-TYPE]" [mp3ファイル]   # カバーアートの追加

例を挙げます。
$ mid3v2 --picture="cover.jpg" test.mp3   # カバーアートの追加
または
$ mid3v2 --picture="cover.jpg::3:image/jpeg" test.mp3   # カバーアートの追加

[DESCRIPTION]は任意に指定する情報になります(通常は空だと思います)。
[IMAGE-TYPE]はman等のドキュメントで説明されていないと思いますが、mutagenのサイトのAPICの情報によると3がCover (front)に対応するようです。
3のCover (front)以外を知りたい方は、man metaflacなどを参考にしてください。

詳しくはman mid3v2mutagenのサイトを見てください。

mid3v2はTIT2、TPE1、TALBのようなフレーム名に慣れれば使いやすいと思いますが、慣れていないためあまり使っていません。

しかし、eyeD3、easytagもある中で、唯一mid3v2のみでできることが、フレームごとにエンコーディングを表示させることです。
$ mid3v2 --list-raw Music/YUKI\ concert\ tour\ “Blink\ Blink”\ 2017.07.09\ 大阪城ホール/01\ -\ Bili\!\ Bili\!\ -LIVE-.mp3|grep -v "x00"   # 画像データらしき大きいデータ除外のためgrep -vとしています
Raw IDv2 tag info for Music/YUKI concert tour “Blink Blink” 2017.07.09 大阪城ホール/01 - Bili! Bili! -LIVE-.mp3
TPOS(encoding=<Encoding.LATIN1: 0>, text=[u'01/01'])
TYER(encoding=<Encoding.LATIN1: 0>, text=[u'2018'])
TIT2(encoding=<Encoding.LATIN1: 0>, text=[u'Bili! Bili! -LIVE-'])
COMM(encoding=<Encoding.LATIN1: 0>, lang='eng', desc=u'', text=[u'Amazon.com Song ID: 293537637'])
TPE3(encoding=<Encoding.UTF16: 1>, text=[u''])
TPE2(encoding=<Encoding.LATIN1: 0>, text=[u'YUKI'])
TPE1(encoding=<Encoding.LATIN1: 0>, text=[u'YUKI'])
TALB(encoding=<Encoding.UTF16: 1>, text=[u'201801 YUKI concert tour \u201cBlink Blink\u201d 2017.07.09 \u5927\u962a\u57ce\u30db\u30fc\u30eb'])
TRCK(encoding=<Encoding.LATIN1: 0>, text=[u'01/28'])
TCON(encoding=<Encoding.LATIN1: 0>, text=[u'(146)'])
TCOM(encoding=<Encoding.UTF16: 1>, text=[u'\u767e\u7530\u7559\u8863'])

更に詳しい情報は、mutagenのサイトのTextFrameの情報を見てください。

<環境>
・chromebookのLinux(ベータ版)環境
Chromebook 311 / C721-N14N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.119(Official Build) (64 ビット)
chromebookのLinux(ベータ版)環境 / Debian 9: 9.12 (Stretch)
mid3v2 バージョン: 1.3
mutagen バージョン: 1.36
・crouton環境
Chromebook 11 / C740-F34N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.112(Official Build) (64 ビット)
crouton環境 / Ubuntu 18.04.4 LTS
mid3v2 バージョン: 1.3
mutagen バージョン: 1.38

MP3 ファイルのタグについての解説 (id3v1, id3v2, MPEG フレームヘッダ, XING ヘッダ) (このサイト様の「ID3v2 フレームでの文字列表現」を参考にしました)

metaflacを使ったflacファイルのタグ情報の編集

linuxでシェルのコマンドラインからmetaflacを使って、flacファイルのタグ情報を編集できます。

インストール方法は次のとおりです。
$ sudo apt update
$ sudo apt install flac

引数には、単一のflacファイルの他、複数のflacファイルも指定できます。

タグ情報の表示は次のようにします。
$ metaflac --list --block-type=VORBIS_COMMENT [flacファイル]

タグ情報の修正は、例えばアーティストの修正の場合、次のようにします。
$ metaflac --remove-tag="ARTIST" --set-tag="ARTIST=[アーティスト名]" [flacファイル]

metaflacではタグは修正されず、追記されてどんどん増えていくようなので、このように一回ごとに削除して書き込むのがいいようです。

カバーアートの書き出しは、例えばカレントディレクトリにcover.jpgとして書き出す場合には次のようにします。
$ metaflac --export-picture-to="cover.jpg" [flacファイル]

カバーアートの削除は次のようにします。
$ metaflac --remove --block-type=PICTURE [flacファイル]

カバーアートの追加は、例えばカレントディレクトリのcover.jpgを追加する場合、次のようにします。
$ metaflac --import-picture-from="cover.jpg" [flacファイル]

詳しくはman metaflacを見てください。

metaflacは単独ではあまり操作性がいいとは言えず、複数のflacファイルを引数に取るよりも、シェルのforループと組み合わせて使うといいようです。

<環境>
・chromebookのLinux(ベータ版)環境
Chromebook 311 / C721-N14N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.119(Official Build) (64 ビット)
chromebookのLinux(ベータ版)環境 / Debian 9: 9.12 (Stretch)
metaflac バージョン: 1.3.2
・crouton環境
Chromebook 11 / C740-F34N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.112(Official Build) (64 ビット)
crouton環境 / Ubuntu 18.04.4 LTS
metaflac バージョン: 1.3.2



mp4info、mp4tagsを使ったaacファイル(拡張子: m4a)の表示、編集

linuxでシェルのコマンドラインからmp4info、mp4tagsを使って、拡張子m4aのaacファイルのタグ情報の表示、編集ができます。

インストール方法は次のとおりです。
$ sudo apt update
$ sudo apt install mp4v2-utils

タグ情報の表示は、mp4infoを使って次のようにします。
$ mp4info [aacファイル]

タグ情報の編集は、mp4tagsを用いて次のようにします。
複数のaacファイルを引数にとれます。
$ mp4tags -s ”[曲のタイトル]” [aacファイル]   # 曲のタイトルの変更
$ mp4tags -a ”[アーティスト名]” [aacファイル]   # アーティスト名の変更
$ mp4tags -A ”[アルバム名]” [aacファイル]   # アルバム名の変更
$ mp4tags -g ”JPop” [aacファイル]   # ジャンルをJPopにする

タグ情報の削除は、mp4tagsを用いて、例えばアルバムアーティストの削除の場合、次のようにします。
$ mp4tags -r R [aacファイル]

mp4tagsにはmanページがありませんので、これ以上の情報は、
$ mp4tags -help
または、
$ mp4tags -help 2>&1 | lv   # 必要に応じてlvはお使いのページャ(less等)に置き換えてください
を見てください。

カバーアートは、同時にインストールされているmp4artを使って操作できると思いますが、機会がなく試していません。

参考情報はありません。
mp4v2-utilsのドキュメントは不足気味です。

<環境>
・chromebookのLinux(ベータ版)環境
Chromebook 311 / C721-N14N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.119(Official Build) (64 ビット)
chromebookのLinux(ベータ版)環境 / Debian 9: 9.12 (Stretch)
mp4v2-utils バージョン: 2.0.0~dfsg0-5+b1
・crouton環境
Chromebook 11 / C740-F34N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.112(Official Build) (64 ビット)
crouton環境 / Ubuntu 18.04.4 LTS
mp4v2-utils バージョン: 2.0.0~dfsg0-6


easytagによるmp3、flac、aacファイルのタグ情報の編集

easytagを使って、mp3、flac、aacファイルのタグ情報を編集できます。
easytagはGUIですが、chromebookのLinux(ベータ版)環境でも、crouton環境でのGUI(僕の場合、ctrl+alt+t→shellと入力しエンターキー押下→sudo startxfce4と入力しエンターキー押下)でも使えます。
僕の場合、chromebookのLinux(ベータ版)環境では日本語入力ができませんが、コピーアンドペーストでほとんど対応できます(曲名を修正する場合がほとんどで、ほとんどのケースでファイル名からコピペできる)。

まずインストールは次のように行います。
$ sudo apt update
$ sudo apt install easytag

メニューから、または以下のようにして起動します。
$ easytag

最初にmp3ファイルのためにid3タグの初期設定を行います。
メニューからEdit→Preferencesを選択し、ID3 TAGSタブを選択してこの設定を表示します。
僕の場合、中国Fiio Erectonics社製のM5というDAPを使うこともあり、タグ内容が日本語のときにバージョンid3v2.3とエンコーディングUTF16の組み合わせが最も問題が少ないため、書き込みのバージョンにid3v2.3を選択し、encodingにUnicodeを選択します。


単一ファイルのタグの編集を行いたい場合は、左のカラムからディレクトリを選択し、左から二番目のカラムからファイルを選択してから、右のカラムの共通タブで曲のタイトル、演奏者、アルバムアーティスト、アルバム、製作年、ディスク番号(CD)、トラック番号、ジャンルなどのタグ内容を編集して、保存アイコン(次の画像の赤丸部分)をクリックします。


またタグの編集は複数ファイルを一括で行うこともでき、この場合は左から二番目のカラムで複数ファイルを選択し(ctrl+左クリック、shift+左クリックが使える)、右のカラムの共通タブでタグ内容を編集した後でそのフィールドの右のアイコン(例えばアルバムを編集した場合、次の画像の赤丸部分)をクリックして複数ファイルに編集結果を適用し、保存アイコンをクリックします。


カバーアートを編集したい場合は右のカラムのimagesタブで、「+」のアイコンで追加、「-」のアイコンで削除、一番右の「絵+下矢印」で選択した複数ファイルへのカバーアートの適用を行うことができます。


ディレクトリを移動する際、ファイル保存が必要な場合にはダイアログが表示され(タグ内容を修正していない場合でもあり得る)、保存する場合にはSaveを、保存しない場合にはDiscardを、ディレクトリの移動を中止して編集を続ける場合にはCancelをクリックします。
またこのようにファイル保存が必要な場合には、左から二番目のカラムのファイルが太字で示されます。




以上、easytagを説明しましたが、実際にはシェルのコマンドラインからこれらファイルのタグ情報を修正することが多いです。
easytagを使うケースはだいたい次のとおりです。

僕の場合、アルバム名に年月を接頭辞として追加することがあり、この場合にはeasytagが便利です。
シェルのコマンドラインで操作する場合には元のアルバム名を再度キータイプする必要がありますが、easytagの場合には再入力することなく元のアルバム名が使えるからです。

またある特定のシチュエーションでmp3ファイルの特定のタグフレームだけのエンコーディングをUTF16に変更する場合に、easytagを使わないとできない場合があります。
シェルのコマンドラインのeyeD3ではそのmp3ファイルの全てのタグフレームのエンコーディングを一括で変更するという操作しかできませんし(TYERフレームを除く)、mid3v2ではタグフレームのエンコーディングの表示はできますけど修正・変更はできません(mutagenを使ってスクリプトを書けばできると思います)。

そして、ファイル保存が必要な場合にダイアログを出してくれる機能も便利です。
タグフレームのエンコーディングに問題がある場合、多くの場合にこの機能で修正できます。

<環境>
・chromebookのLinux(ベータ版)環境
Chromebook 311 / C721-N14N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.119(Official Build) (64 ビット)
chromebookのLinux(ベータ版)環境 / Debian 9: 9.12 (Stretch)
・crouton環境
Chromebook 11 / C740-F34N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.112(Official Build) (64 ビット)
crouton環境 / Ubuntu 18.04.4 LTS

MP3 ファイルのタグについての解説 (id3v1, id3v2, MPEG フレームヘッダ, XING ヘッダ) (このサイト様の「ID3v2 フレームでの文字列表現」を参考にしました)

2020/07/16

Android上のChromeブラウザでBitwardenを使えるようにする

PCで作成したパスワードマネージャBitwardenのアカウントを用いて、AndroidのChromeブラウザでパスワード情報を自動入力できるようにしましたので、手順を説明します。

僕の場合、Androidバージョン7.0(HUAWEI nova)と同バージョン9(HUAWEI MediaPad M5)でBitwardenを導入しました。

まずPlayストアからBitwardenパスワードマネージャーアプリをインストールしました。
Bitwardenパスワードマネージャーアプリを開き、メールアドレスとマスタパスワードを入力しました。
右下の「設定」を開き、「自動入力サービス」を有効にして(Androidバージョン9のみ)、「自動入力ユーザー補助サービス」を有効にしました(バージョン7.0、9共に)。
さらにこの「設定」で「生体認証でロック解除」を有効にして、念のため「PINコードでロック解除」も有効にしました。
後者を有効にする際に表示されるダイアログ(アプリを再起動したときにマスターパスワードでのロック解除を必須としますか?)では、「いいえ」を選択しました。

最後にAndroidの設定から「アプリ」のBitwardenを表示させて、詳細設定の「他のアプリの上に重ねて描画」を「可」にしました。
これが分からずにかなり苦労しました。

成功すると、ログインのボックスを選択したときに次に示す例のように「Bitwardenで自動入力」の小さいダイアログが表示され(例の中で赤丸で示した部分)、これを選択するとパスワードの自動入力ができるようになりました(例はAndroidバージョン7.0/HUAWEI nova)。






Chromeブラウザ組み込みのパスワードマネージャからBitwardenへの移行

作業はChrome OS上のChromeブラウザで行いました。

まずChromeブラウザ組み込みのパスワードマネージャからパスワードデータをエクスポートしました。

右上の縦の…→設定→自動入力グループ・パスワード→Googleアカウントのリンク→画面右上方の歯車の設定アイコン→パスワードをエクスポート・エクスポートのリンク

これでcsv形式でパスワードデータを保存できました。

次にBitwardenをChrome拡張機能としてインストールして、メールアドレスとマスタパスワードを設定してアカウントを作成しました。

そしてBitwardenのウェブサイト(Chromeブラウザの拡張機能のBitwardenアイコンを右クリック→メニューの一番上を選択してウェブサイトを表示)からログインして、保管庫を表示させました。
最上段の「ツール」を選択し、「データをインポート」を選択しました。
「データをインポート画面」で、「1.インポートするファイルの形式」の「Chrome(csv)」を選択して、「2.インポートするファイルを選択」にて先程エクスポートしたcsv形式のパスワードデータを選択し、「データをインポート」をクリックしました。
この操作が完了して、Bitwarden上で今までのパスワードデータが使えるようになりました。

そして、Chromeブラウザ組み込みのパスワードマネージャの後処理を行いました。

右上の縦の…→設定→自動入力グループ・パスワード→「パスワードを保存するようにする」と「自動ログイン」を各々オフ

これで実用上問題ない程度にChromeブラウザ組み込みのパスワードマネージャの動作を抑制できました。

右上の縦の…→その他のツール→閲覧履歴を消去…→「閲覧履歴データの削除」ダイアログの「詳細設定」タブを選択→「パスワードとその他のログインデータ」チェックボックスをチェックして「データを削除」をクリック

これでChromeブラウザ組み込みのパスワードマネージャからパスワードデータを削除できました。
その後Googleアカウントのパスワードマネージャ(右上の縦の…→設定→自動入力グループ・パスワード→Googleアカウントのリンク)を確認し、クラウド上でもパスワードデータが削除されているように見えることを確認しました。

Chrome OS上のChromeブラウザでのBitwardenの使い方は、メニューバー上のBitwarden拡張機能のアイコンを左クリックして、ログインデータの選択肢をクリックするとユーザ名とパスワードが自動入力されるので、その後ログインボタンをクリックするかエンターキーを押下してログインできます。
ログインの選択肢があるとアイコンの右下に選択肢の数が小さく表示されます。
選択肢が一つの場合でも複数の場合と同じようにクリックして選択する必要がありますので、Chromeブラウザ組み込みのパスワードマネージャより少し手間が増えます。

<環境>
Chromebook 11 / C740-F34N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.112(Official Build) (64 ビット)
Google Chrome バージョン: 83.0.4103.112(Official Build) (64 ビット)



パスワードマネージャをBitwardenに変更した経緯

数日前から、Chrome OS上のChromeブラウザで、ある特定のプライベートIPアドレスでログインする際に次のダイアログが表示されるようになりました。

===表示されるダイアログのコメント/始まり===
パスワードを変更してください。
サイトまたはアプリでのデータ侵害により、パスワード情報が漏洩しました。192.168.XXX.XXXのパスワードを今すぐ変更することをおすすめします。
===表示されるダイアログのコメント/終わり===

これはChromeブラウザに組み込まれているパスワードマネージャに加わった機能のようであり、Googleが把握している過去に漏洩したサイトとパスワードの組み合わせに対して、その組み合わせでログインしようとすると、警告されるもののようでした。

このIPアドレスは外部インターネットからは遮断されている上LANは自分一人で使用しているため、パスワードを変更する必要はなく、パスワードそのものに限ったリスクより、パスワードの管理に係るリスクの方が高いので変更しないつもりです。
(でも本件に対応して、外部インターネットからの遮断についてはより確実になるよう安全性を高めるように修正しました。)

しつこくダイアログが出て不快なので、次の方針で調べてみました。

1.この特定のIPアドレスでこのダイアログを抑止する。
2.このダイアログを出している機能自身をオフにする。
3.Chromeブラウザに組み込まれているパスワードマネージャをオフにして、代替のパスワードマネージャを使う。

上記の1と2は情報を見つけられなかったため諦めましたが、3は可能のようでしたので、これで進めることにしました。

代替のパスワードマネージャとしては、次の条件で選定しました。
1.無料
2.Chromeブラウザでの自動入力対応
3.Chrome OSとAndroidのマルチデバイス対応

まず1passwordxは無料期間は30日間となっていて、その後が不明だったので候補から外しました。
keeperは良さそうだったので試してみましたが、無料版ではデバイス間での同期ができないとのことだったので、使わないことにしました(自分の調査不足かもしれませんが、試験導入の前の情報では分かりませんでした)。
このkeeperには大問題があって、サービスの退会が通常の方法ではできないようで、サポートに連絡して交渉しなければならないようです。
また用意されている操作の中で記録の削除ができない(完了したように見えても完了していない)ものもあり、かなり質が悪く、有料版への誘導で利益を優先するような悪意あるサービスに感じました。
Lastpassは調査していません。

Bitwardenは無料版がありマルチデバイス対応なので、これを採用しました。

なおChromeブラウザに組み込まれているパスワードマネージャは厳密にはオフにできませんでした。
調べた範囲では、Chromeブラウザの設定にて、「パスワードを保存するようにする/パスワードの保存」と「自動ログイン」を各々オフにして、実用上問題ないようにするのが限界でした。
Androidのスマホで、文字入力ポップアップとともにパスワードマネージャが表示していると思われる欄がポップアップして画面を狭くしてしまうことが一番問題ですが、自分の場合なんとか使える程度になっています(画面例はAndroidの記事で説明)。
他にChrome OSでは、右クリックでパスワードマネージャの機能らしきものもメニューに出てきますが、今の所問題はありません。

そして問題のダイアログは表示されなくなりました。

なお実際に行った変更の手順は別の記事で説明します(Chrome OSの記事Androidの記事)。

<環境>
Chromebook 11 / C740-F34N / Acer
Chrome OS バージョン: 83.0.4103.112(Official Build) (64 ビット)
Google Chrome バージョン: 83.0.4103.112(Official Build) (64 ビット)